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皆さんこんにちは!
SSW、更新担当の中西です。
目次
今回は、「アスベスト除去工事の歴史」についてお話しします。
かつては「奇跡の鉱物」としてもてはやされたアスベスト(石綿)。その後、健康被害が明らかになり、現在では厳重な管理と除去が必要な有害物質となりました。
では、このアスベストが社会でどのように扱われてきたのか、除去工事がどう進化してきたのか、その歴史を見ていきましょう。
アスベストは耐熱性・耐摩耗性・絶縁性に優れ、加工しやすい特徴から、20世紀前半〜高度経済成長期にかけて建材として大活躍しました。
建築物の吹付け材、断熱材、耐火被覆材、波板スレート、ボイラー周りなど、あらゆる分野で使用
特に1955年〜1985年頃までに建てられた多くの学校・病院・工場・公共施設に使用実績あり
当時は「安価で万能な素材」として重宝されていました。
徐々に、アスベストを扱った作業員や住民に、深刻な健康被害が確認されるようになりました。
アスベストの繊維が肺に入り込み、石綿肺・中皮腫・肺がんなどを引き起こすことが判明
潜伏期間が20〜40年と長く、症状が出た頃には手遅れになるケースが多発
1987年:国際がん研究機関が「アスベストは確実な発がん物質」と認定
これを受け、社会全体で「アスベストをどう扱うか?」が大きな課題となりました。
日本では段階的にアスベストの使用が制限されていきました。
1995年:吹付けアスベストの使用が原則禁止
2006年:一部の例外を除き、アスベストを含む建材の製造・使用が全面禁止
2012年:建築物等の解体・改修時にアスベスト使用の有無調査が義務化
こうして、新たなアスベスト使用は原則ゼロに。しかし、過去に使用された建物が残っているため、「除去工事」は今もなお、社会的に重要な作業とされています。
現在では、アスベスト除去工事は高い専門性と厳重な安全対策が求められる仕事です。
厚生労働省の指導に基づいた作業基準と届出義務
除去・封じ込め・囲い込みといった工法の選択
作業員の防護服・マスク着用、負圧養生、飛散防止処理の徹底
作業完了後は空気中のアスベスト濃度測定と第三者機関による検査
「見えない粉じん」が命に関わるからこそ、作業の一つひとつに高い倫理と責任感が求められます。
アスベスト除去は、かつての無知や経済優先の中で広がった素材の“後始末”とも言える作業です。
しかし、その工事は今、未来の健康と安心を守るための希望の仕事でもあります。
次回は、そんなアスベスト除去工事において、現場で守られている“鉄則”についてお話しします。
次回もお楽しみに!
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