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SSWのよもやま話~確認事項~

皆さんこんにちは!

SSWの更新担当の中西です。

 

さて今回は

~確認事項~

ということで、アスベスト除去工事の開始前に必ず確認すべき重要事項を、法令・現場・安全・周辺環境の視点から体系的に解説します。

 

「安全第一・法令遵守・近隣配慮」で成功するプロジェクトの始まり

かつて“夢の建材”として重宝されたアスベスト(石綿)。
しかしその有害性が明らかになった現代において、アスベスト除去工事は極めて慎重かつ法的に厳格な管理が必要な工種となっています。

アスベスト除去は「やることが多すぎて何から始めればよいか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか?


✅ なぜ「事前確認」が重要なのか?

アスベスト除去工事は、事前の準備で成否が決まると言われるほど、段取りと確認が重要です。

  • 法令に違反すれば罰則・行政指導の対象になる

  • 作業員や住民への健康被害につながる可能性がある

  • 計画の不備は工期の遅延・費用の増加・信頼喪失を招く

そのため、「工事に入る前に何を確認しておくか」が安全・品質・コストの全てに直結します。


✅ アスベスト除去工事の事前確認事項一覧(6つの視点)


①【建物調査】含有有無と範囲の正確な特定

🔹 まずは“アスベストがあるかどうか”の確認から

  • 図面・仕様書・施工記録の収集と精査(書面調査)

  • 有資格者(建築物石綿含有建材調査者)による現地調査・目視確認

  • 必要に応じて材料の採取 → 分析機関による定性分析(JIS法)

📌【ポイント】
アスベストが含まれる可能性がある部位(吹付け材、保温材、壁材、床材など)は、見た目だけでは判断不可。
調査は必ず専門資格者に依頼し、報告書と写真を残しましょう。


②【法令対応】届出・報告・作業体制の確認

🔹 関係法令に基づいた対応フローを整理する

  • 労働安全衛生法 ⇒ 作業計画届(労基署へ)

  • 大気汚染防止法 ⇒ 特定建築材料使用の届出(都道府県へ)

  • 事前調査結果報告 ⇒ 石綿事前調査報告システム(電子申請)

  • 有資格者配置(石綿作業主任者、特定化学物質作業主任者)

📌【注意点】
2023年10月から事前調査は“有資格者”の実施が義務化されました。
無届施工や不適切な処理には罰則(50万円以下の罰金など)が課されます。


③【施工環境の確認】安全作業を行うための条件整備

🔹 工事前に確認すべき現場環境

  • 除去部位までの動線確保・搬入搬出ルートの整備

  • 作業スペースの確保(隔離区画の設置・封じ込め計画)

  • 負圧除じん装置の設置場所・換気設計

  • 仮設電源・水道設備の確認

📌【重要】
除去作業は密閉・負圧・湿潤化が原則。事前に「作業エリアをどのように隔離するか」を設計しておく必要があります。


④【作業員の管理と教育】健康と安全の担保

🔹 作業員の安全と健康は、企業の責任

  • 作業員の資格保有状況の確認(石綿作業主任者など)

  • 作業前の健康診断実施(法定)

  • 作業手順書・マニュアルの整備と周知

  • 特別教育の実施記録・出席管理

📌【ポイント】
作業員がアスベスト粉じんに曝露しないよう、防護服・防じんマスク(区分3以上)の配布と管理も必須です。


⑤【近隣対応・周知】トラブル防止のための対策

🔹 周辺住民への事前対応は“信頼確保”につながる

  • 工事の概要・工期・作業時間帯・発生音などの案内配布

  • アスベスト含有除去であることの明記(掲示板・張り紙)

  • 苦情・通報に備えた緊急連絡先の明記と対応体制

📌【ポイント】
住民の不安や誤解を避けるためにも、わかりやすい言葉での説明資料を用意すると信頼度が高まります。


⑥【工程管理と後処理の計画】手戻りゼロの段取り

🔹 工事全体の流れと後処理を見据えて設計する

  • 作業工程表(隔離→除去→清掃→養生撤去→測定→解体)

  • 空気中アスベスト濃度測定の手配(除去後)

  • 産業廃棄物処理業者との連携(収集・運搬・最終処分)

  • マニフェスト制度に基づいた記録保管(5年間以上)

📌【注意】
アスベスト廃材は「特別管理産業廃棄物」に分類され、適切な処理と証拠保全が義務です。


✅ 事前確認の質が、工事の信頼と安全を決める

アスベスト除去工事は、一般の解体工事とはまったく異なる高度な管理が求められる特殊作業です。

そのためには

✅ 正確な事前調査と資格者の確認
✅ 法令対応(届出・報告・掲示)の徹底
✅ 作業環境と安全措置の確保
✅ 近隣とのコミュニケーション
✅ 工程と処理の明確な流れの把握

という5つの軸で事前確認を進めることが重要です。

「ただやればいい」ではなく、「正しく、安全に、法的に」除去すること。
それが、今後の建設業における社会的責任と言えるでしょう。

 

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