オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2025年9月

SSWのよもやま話~やりがい~

皆さんこんにちは!

SSW、更新担当の中西です

 

~やりがい~

 

アスベスト除去は、安全・法令順守・品質・スピードを同時に満たす高度な現場運用。
ここでは、発注者が本当に求めているニーズと、現場で働く人が感じるやりがいを、実務目線で整理します。


1|まず押さえる価値軸:いま求められる“6つのゼロ” 🧭

  1. 飛散ゼロ:隔離・負圧・湿潤化・清掃を“型”で回し、空気中繊維を管理。

  2. 事故ゼロ:墜落・感電・切創・熱中症を想定した安全計画。

  3. クレームゼロ:近隣・テナントへの粉じん・臭気・騒音の抑制と告知。

  4. 違反ゼロ:事前調査・届出・資格・台帳・電子報告までの一気通貫。

  5. 手戻りゼロ:取り残し・清浄度不合格を“中間検査”で封じる。

  6. 滞留ゼロ:産廃の封入・運搬・マニフェストの迅速クローズ。


2|ステークホルダー別の“リアルなニーズ” 📌

発注者(デベロッパー・公共)

  • 証拠で語れる安心(事前調査・作業計画・写真台帳・測定結果の即提出)

  • スケジュール確実性(夜間切替・部分開放・段階引渡し)

  • 総合コスト最適(養生範囲の最適化、資機材共用、無駄な待ち時間ゼロ)

元請・解体・テナント/施設管理

  • 他工種との干渉ゼロ(動線分離、搬入出窓口の事前調整)

  • 翌朝通常運転(ビル稼働のままフロア更新、エレベーター・空調連携)

  • 緊急時の即応(負圧異常・停電・漏水時のロールバック手順)

近隣・地域

  • 見える安心(掲示・説明会・苦情窓口、環境測定の共有)

  • 生活影響の最小化(搬出時間帯・車両動線・騒音配慮)


3|“選ばれる除去会社”の提供価値(差別化ポイント)🧩

  1. 調査の精度:図面・竣工年・仕上げ層を読み、採材→分析→レベル区分を明快に。

  2. 段取り設計:隔離区画・負圧計画・三室化・湿潤化・運搬の一筆書き動線

  3. デジタル記録:写真台帳・差圧ログ・気中繊維測定・マニフェスト・電子報告を当日共有

  4. 夜間・短工期対応Go/No-Go基準とロールバック手順を台本化、翌朝の原状復帰を保証。

  5. 産廃のトレーサビリティ:封入・仮置き・運搬・処分の実績追跡がワンタッチで出せる。


4|“やりがい”が生まれる瞬間(役割別)✨

  • 事前調査・設計:疑わしい部位を洗い出し、無駄な隔離を削りつつ安全を守る最小面積設計が決まった瞬間。

  • 施工管理:負圧・出入口・湿潤・清掃のリズムが一度も崩れず回り続ける達成感。

  • 作業班(技能者)取り残しゼロで清浄度合格、隔離を予定どおり解除できた誇り。

  • 環境測定・品質:データで“飛散ゼロ”を証明し、近隣からの感謝が届く喜び。

  • 安全衛生:熱中症・有機溶剤・姿勢負荷を前倒しで潰す仕組みが効いた実感。

  • PM/営業:関係者が不安なく進められる台本を描き、再指名を得る手応え。


5|“今日から”使える実務テンプレ ✅

A. 事前ヒアリング10項目

  1. 竣工年/改修歴 2) 仕上げ・下地構成 3) 施工範囲・期日

  2. 稼働/夜間制約 5) 共有設備(EV/空調) 6) 近隣条件

  3. 共用部の養生要件 8) 産廃置場・動線 9) 電源/換気

  4. 報告様式・提出期限(電子報告/台帳)

B. 施工中の“4つの見える化”

  • 差圧(負圧監視ログ)/濡れ具合(散水頻度)/清掃頻度(チェック間隔)/出入記録(人・物)

C. 解除前チェック

  • 取り残し目視(有資格者)→試験清掃気中繊維測定→OKなら隔離解除→写真・報告


6|“提案が通る”3プラン(Good/Better/Best)💡

  • Good(基本遵守):調査→計画→隔離・負圧→除去→清掃→測定→台帳。

  • Better(短工期・高信頼):+ 夜間段階引渡し、差圧の遠隔監視、近隣向け掲示・週報

  • Best(大規模・複合):+ 3D/点群での養生計画、多区画同時施工の負圧バランス制御ダッシュボードで全関係者に共有。
    → 各プランに工期・コスト・リスク低減の根拠を添えると意思決定が速い。


7|KPIで“価値”と“やりがい”を可視化 📊

  • 安全:休業災害ゼロ日数、ヒヤリ是正率、熱中症発生率

  • 品質:気中繊維の基準内達成率、取り残し是正回数、清浄度一発合格率

  • 工程:計画対比進捗、夜間切替の定刻復帰率、手戻り時間

  • コンプラ:届出/電子報告の期限遵守率、マニフェスト即日率

  • 近隣:苦情件数、説明会参加/合意取得率


8|よくある“つまずき”と回避策 🧯

  • 事前調査の見落とし → 仕上げ層のサンプル不足。複層採材と“グレー箇所”の暫定対策を計上。

  • 負圧漏れ → 出入口の気密・ダクト漏れ。発煙試験と差圧ログで早期検知。

  • 湿潤不足 → 粉じん化。噴霧量/頻度を数値基準化、乾燥部位の優先清掃。

  • 搬出渋滞 → 共用EV競合。時間帯予約台車隊列の標準化。

  • 近隣不安 → 告知不足。施工前掲示+中間報告+解除報告をテンプレ化。


9|ミニ事例📘

  • 稼働中オフィスの夜間更新
    差圧遠隔監視とロールバック台本で翌朝定刻開庁100%、苦情ゼロ。

  • 学校の夏季改修
    教室ごとに小区画化、一室一完結で清浄度一発合格、工期短縮**-12%**。

  • 工場ライン隣接
    産廃動線を外周に分離、搬出ピークの平準化で生産停止なし。


10|ニーズは“選ばれる理由”、やりがいは“続ける力” 🌟

アスベスト除去の価値は、飛散ゼロを段取りで再現し、データで証明すること。
その再現性を高めるほど、不安が安心に変わり、手戻りが信頼に変わります。
今日も誰も気づかないまま、安全が保たれた。——その静かな手応えこそ、この仕事のやりがいです。

 

 

お問い合わせは↓をタップ

SSWのよもやま話~変遷~

皆さんこんにちは!

SSW、更新担当の中西です

 

~変遷~

 

1|〜1980s:大量使用と遅れるリスク認識

  • 耐火・断熱・防音性能の高さから、吹付材・成形板・保温材などに広範囲で利用

  • しかし健康被害の知見が進むにつれ、規制の土台が整備開始。大気汚染防止法ではアスベストを「指定ばいじん」に位置づけ(1989改正)、「特別管理産業廃棄物」化(1991)で廃棄段階の管理も強化されました。環境省


2|1990s:産廃・大気の両面から“締めつけ”へ

  • 廃棄物は分別・封じ込め・適正処分が前提に。

  • 大気側も発じん作業の規制が拡充し、解体・改修現場での飛散防止が政策テーマとして前面化します。環境省+1


3|2005–2006:専用規則の制定と“原則禁止”の時代へ

  • 2005年、石綿障害予防規則(石綿則)が新設。従来の化学物質規制から独立し、作業区分・隔離・負圧・個防・計測・記録など除去作業の“型”が明確化。施行は2005年7月1日厚生労働省+1

  • 2006年にはアスベスト健康被害救済法が施行され、曝露被害への公的救済がスタート。厚生労働省+1

  • 同年、政府の包括対策に基づき**「製造・使用の原則禁止」**が打ち出され、国内の新規利用に終止符(例外を除く)。環境省+1


4|2012:全面禁止の定着と輸入規制

  • 学術・行政資料では、2012年に全面禁止が確立し、輸入品も原則禁止の運用に。以降、既存建物の解体・改修が曝露リスクの主戦場に。J-STAGE+1


5|2020s:事前調査の義務化・電子報告・直接罰—運用が“可視化”へ

  • 2020年改正の大気汚染防止法で、全ての石綿含有建材を対象に飛散防止を強化。事前調査の義務化都道府県等への結果報告作業基準違反への直接罰が導入されました。環境省+1

  • 2021年:吹付け等に加え、保温材等の除去前14日前届出隔離解除前の有資格者による取り残し確認が義務化。ishiwata.mhlw.go.jp

  • 2022年:石綿事前調査結果報告システムによる電子報告が本格運用。GビズID連携で労基署・自治体への同時報告が標準に。ishiwata.mhlw.go.jp+1

ルールは「守る」から**“見える化して証明する”**へ。台帳・写真・測定・電子報告が一体運用に。


6|技術と現場オペの進化(要点)

  • 工程設計:事前調査→区分判断(レベル1/2/3)→隔離・負圧→除去→清掃・封じ込め完了確認(取り残し・清浄度)→復旧。ishiwata.mhlw.go.jp

  • 装備・管理負圧集じん機・HEPA、二重養生、出入口の三室化、作業員の呼吸用保護具・陰圧適合ばく露濃度測定の平常化。ishiwata.mhlw.go.jp

  • 記録:計画・隔離写真・作業手順・気中濃度・産廃マニフェスト・電子報告までの一気通貫の台帳


7|産業構造の変化:新設→リノベの時代に生まれた“役割”

  1. コンサル型の事前調査・設計:図面照合・採材分析・工程別コストの最適化。

  2. 夜間・短工期の現場対応:テナント稼働中ビルで**“翌朝通常運転”**を実現する台本力。

  3. データ主導の品質保証測定ログ・電子報告・写真台帳で“飛散ゼロ”を見える品質に。


8|“今日から役立つ”チェックリスト ✅

  • 事前調査:設計図・竣工年・使途から疑わしき箇所の洗い出し/試料採取。結果は発注者へ説明し、規模要件に応じ電子報告環境省+1

  • 施工計画:区分別の隔離・負圧・湿潤化、動線・持出しルール、直接罰対象の基準を全員で共有。環境省

  • 完了判定取り残し確認(有資格者)清浄度確認→隔離解除→発注者報告→記録3年保存ishiwata.mhlw.go.jp+1


9|除去工事は「規制遵守×運用設計×記録」で価値を生む

2005年の石綿則で“作業の型”が定まり、2006年の原則禁止→2012年の全面禁止で新規使用は終幕。
2020年代事前調査・電子報告・直接罰で“見える運用”が求められる段階へ。
これからの競争力は、調査の精度・段取りの再現性・記録の即時性にあります。
「飛散ゼロを、データで証明する」——それが、次の指名につながる工事力です。

 

 

お問い合わせは↓をタップ